資本主義の真の姿を描く

寄生と不朽性を強める資本主義

見境のないグローバル化と芸能・スポーツ資本主義の中に、「欲望」に支配される資本主義の究極の寄生性を見出すことができる。マルクスは「資本の文明化作用」という言葉で心に懐いていたようだが、未解明のままです。

資本主義の搾取機構

資本主義の寄生性と不朽性の拡大は、資本の「人間」に対する搾取機構の永続的な拡大である。人々は無意識のうちにこの搾取機構の奴隷と化しつつある。この資本の軛から、われわれは自由になれるのか? 過剰資本の新たな投資先はIoT、AI技術へ移行しつつあるが、こうした潮流が人間の精神構造に与える影響をぜひとも明らかにしなければならない。

資本主義の高度発展と地球環境

マルクスの時代の環境問題は「産業公害」だったが、今日環境問題は国境を越え地球を熱平衡状態へ追いやる地球温暖化、そして苛烈な宇宙開発による宇宙ゴミの問題だ。マルクス主義経済学は、これらの問題群に対して有効な分析視角と解決策を提示しているとは言えない。ここでは、J.ラブロックの「GAIA理論」発展させた「地球生理学」と経済学を融合させた新理論を提唱する。


今なぜ「資本論」か?


社会主義革命の基礎理論となった点を除けば、混迷を深める現代の資本主義の分析に、『資本論』ほど役に立つ分析ツールは存在しない。